交換関係 | Polyhedron

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速水が思った事を書いていきます。twitterを始めたのでこちらはほぼ廃墟かも。

量子力学の世界では、同じものを演算しても、順序が違うと答えが違う、という事がよくある。
たとえば、バネ(調和振動子)。量子力学的にはバネが持てるエネルギーは連続でなく、飛び飛びになるわけですが。
その飛び飛びのエネルギーのうち、あるエネルギーEの状態にいるとして、それをひとつ上(E+ΔE)のところに増やすための演算子(生成演算子)と、ひとつ下(E-ΔE)のところに落とすための演算子(消滅演算子)を考えてみる。
すると、生成演算子をかけてから消滅演算子をかけるのと、消滅演算子をかけてから生成演算子をかけるのとでは、実は答えは変わってしまうのである。

演算子の順序を、勝手に交換する事ができない。
一方の順序で演算した結果から、もう一方の順序で演算した結果を引いた物を、『交換関係』と呼ぶことにすると、これはつまり、交換関係がゼロでない、という事である。
(詰将棋に親しい人なら、指す駒の手順により、詰むものが詰まなくなってしまう例が無数にある事を知っているだろう。)

ある一つの観点に立てば、量子力学と、古典的な力学との違いは、交換関係がゼロでないこと、そこだけにある、と言っていい。

要するに何がいいたいのか、というと。
ニコリ119号の表紙の暗号は、そういう側面を持った問題だ、ということである。
ちなみに交換関係は、 「たま」←白抜き文字 です。